弊社で取り組んでいる漏電検出技術は、Igr技研が開発したIgr測定方式(位相差測定方式)です。
※ 保安管理規定など日本国内の一部で位相差測定方式を「Ior(アイゼロアール)」と表示している場合もあるようですが、この「Ior」はIgr技研が開発したIgr測定方式を意味しています。弊社では開発者の意向や特許等の内容、また世界基準の表記を基に「Igr」と表記しています。
既存の漏電検出では「Io(アイゼロ)」方式が一般的ですが、正確な漏洩リスクを把握する ためには、電気の線路上で自然に発生する電気成分「Igc(等価対地静電容量)」の影響を受けない、「Igr(等価対地絶縁抵抗)」のみを正確に把握することが重要です。
Igr(等価対地絶縁抵抗)は感電し、熱を持ち火災の原因となる電気成分です。
Igc(等価対地静電容量)は熱を持たないため火災の原因にはならず、感電しない電気成分です。このIgcは電気の線路が長くなるとより多く発生します。
そして、Io(アイゼロ)とは、IgrとIgcのベクトル合成値です。
※同ページ下部の「解説動画1」を参照ください。
この単相2線のベクトル図では、
横軸が Igr(等価対地絶縁抵抗)、縦軸が Igc(等価対地静電容量)です。
熱を持ち感電するIgr(等価対地絶縁抵抗)は、
①で「6mA」、②では「14.5mA」ですが、
Io(アイゼロ)では①と②は同じ「15.69mA」を検出してしまいます。
このIgr(等価対地絶縁抵抗)の影響を受けたIo(アイゼロ)の数値では、 本来の漏電リスクを正確に把握することができていないことを意味します。
※三相3線デルタ結線においては、Io < Igr となる領域があることを知ることが重要です。
Igr方式の計測器でのデジタル表示画面
Igr方式の計測器は、「Io(アイゼロ)」「Igr(等価対地絶縁抵抗)」「Igc(等価対地静電容量)」をそれぞれ同時に計測することができます。
①と②では、Io(アイゼロ)の数値は同じですが、Igr(等価対地絶縁抵抗)は①では「6.0mA」、②では「14.5mA」と漏電リスクは全く異なります。
また、Io(アイゼロ)に影響するIgc(等価対地静電容量)がどれくらい発生しているかも計測可能です。