内部観察点検(分解整備点検)
非常用自家発電機の内部観察点検は、平成30年6月より負荷試験に代わる点検方法として規定されました。
部品を取り外し発電機のエンジン内部などを内視鏡等を用いて観察する点検方法です。
シリンダ摺動面の内部観察
シリンダヘッドを取り外して、シリンダ摺動面等の内部を確認する。
燃焼噴射弁を取り外して、取付穴から内視鏡を挿入し内部を確認する。
⇒シリンダライナ摺動面に運転に支障をきたす損傷や摩擦がないことを確認する。
過給機コンプレッサ及びタービン翼の内部観察
(過給器コンプレッサ等を有するものに限る)
過給機のサイレンサー及び過給機ダクトを取り外し、コンプレッサ及びタービン翼の内部を確認する。
⇒コンプレッサ翼及びタービン翼に運転に支障をきたす塵埃や燃料残さ物の堆積の無いことを確認し、損傷や欠損についても確認する。
排気管の内部観察
過給機を取り外した部分から排気管内部を観察する。
(過給機がない場合は、排気管出口の可とう管繋手を外して内部を観察する)
⇒排気管内部等が未燃燃料や燃料残さ物で運転に影響を及ぼす水準となっていないことを確認する。
※異常があるときは清掃する。
潤滑油・冷却水の成分分析
オイルパン等から潤滑油を抜き取り、成分に異常がないことを確認する。
⇒「動粘度」「酸価」「塩基価」「不溶解分」「残留炭素分」「金属成分」「引火点」「水分」等が製造者の指定値範囲内で有ることを確認する。
ドレインコック等から冷却水を抜き取り、成分に異常がないことを確認する。
⇒「PH」「全硬度」「電気伝導率」「蒸発残留物」等が製造者の指定範囲内であることを確認する。
※成分分析の結果、指定値範囲外の項目があれば原因を調査し、必要な措置をとる。
燃料噴射弁等の確認
燃焼噴射弁を取り外し、作動させて、噴射状態と噴射圧力を確認する。
⇒燃焼噴射弁の試験器を使用して、燃料噴射弁の開く圧力が製造者の指定値範囲であることを確認する。
⇒噴射口に詰まりがないことと、燃料の噴霧状態が霧状に均一に噴射されていることを確認する。
⇒燃焼噴射弁先端から燃料の液だれがないことを確認する。
※異常がある場合は、燃料噴射弁が開くときの圧力の調整や、清掃等を行う。